ブランド・エクイテイとは、あるブランドが顧客、取引先あるいは社会全体に対して持つ様々な資産の集合体及び資産価値のことです。洋服やバック・靴などに代表されるように、ブランドがその商品価値や値段に大きな影響を与えている例は少なくありません。このブランドが消費者に与える、目に見えない価値(無形的な資産価値)を表したものがブランドエクイテイの概念です。この概念はカルフォルニア大学の研究者であったデイビッド・アーカーが提唱したもので、将来的に利益を生み出すものだけではなく、ブランドエクイテイはその中に負債も含まれている資産のことを指しているため、ブランドの持つプラスの面とマイナスの面、両方含めた総合的な価値のことを表しています。ブランドは有価証券や生産設備などの有形資産と同様に、投資して育成すれば価値が高まり、悪評のイメージがついたり放置したりすると価値は下がります。それまでただの商品名や記号としか考えてこなかったブランドを競合より有利な条件で取引するのに役立つ目に見えない資産価値であると捉え、企業会計上の無形資産として計上しようという考えが生まれました。エイクイテイ(資本)という表現はこうした考えに基づいています。なお、ブランドエクイテイ評価のアプローチには、コスト・アプローチ、キャッシュフロー・アプローチ、マーケット・アプローチと3種類に大別されますがそれぞれの是非についての意見が分かれているため、定まったアプローチ法はありません。ブランドエクイテイの例としてスターバックスコーヒーを挙げると、業態だけを見ればカフェや喫茶店になりますが、世界中でここまで評価され、根強いリピーターやファンを獲得しているというのは、まさにブランド・エクイティの賜物と言えます。

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